対談

 
 「知と実践の融合」を基本理念に掲げ、地域社会の期待に添うことのできる大学を目指してきた鳥取大学。平成28年4月からは、第三期目の中期目標期間という新たなステージに入る。

 人口減少や少子高齢化などの課題を抱える今、地域産業界より鳥取銀行の宮﨑正彦頭取をお招きして、豊島良太学長と、次代を担う若者への思いや企業が求める人材、そして互いが果たすべき役割とは何かを語っていただきました。

宮﨑頭取

宮﨑 正彦 みやざき まさひこ

昭和29年鳥取県生まれ。
昭和51年同志社大学経済学部卒業、株式会社鳥取銀行入行。
平成15年経営統括部長、平成16年取締役常務執行役員、
平成20年取締役専務執行役員を経て平成22年代表取締役頭取。


豊島学長
豊島 良太 てしま りょうた

昭和24年島根県生まれ。
昭和53年鳥取大学大学院医学研究科博士課程修了。
鳥取大学医学部附属病院助手などを経て、平成11年鳥取大学医学部教授。
鳥取大学医学部附属病院長、医学部長を歴任後、 平成25年鳥取大学長に就任。


鳥取大学の学生は今こそ企業の“本質”を知るべき

 

豊島学長豊島 鳥取県のみならず、日本全体が少子高齢化のため、いくつかの市町村が衰退・消滅するということが言われる中で、鳥取大学は地域の中核となり得る人材を育成しています。
 現在、鳥取県内で約1000人が鳥取大学を受験され、約200人が入学されています。大学ですから通常の場合4年で卒業となりますが、鳥取県出身学生約200人のうち120~130人が鳥取県内で就職しています。県外出身者も100名ほどが県内就職です。近年は県内就職率が高まってきている傾向があります。ただ、まだ全体の約8割の学生が東京や関西地区に就職しており、まだまだ地元経済界に貢献が足りていないかとも思います。

宮﨑 肌感覚でみるとまだ鳥取県内は本格的な景気回復には至っていないという感じはしますが、製造業、非製造業とも好転してきているのも事実です。鳥取県内の有効求人倍率は平成27年9月が1.22倍。これは全国の1.24倍と比べてもほぼ変わりない数字です。特に製造業、建設業の雇用情勢は非常によい。しかしながら、それと裏腹に人手不足感も強まってきている状況です。

豊島 人材確保は大学も共通の課題ですが、私が思うに鳥取県内にも素晴らしい企業はたくさんあると思いますが、それがまだ十分にアピールされていないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

宮﨑頭取宮﨑 同感です。就職先を決める際に、多くの学生は就職情報誌で一部上場企業や鳥取県内を代表する企業を選択しています。でも実際には鳥取県内に企業は1000社以上あり、中堅企業と言われているものも何百社とあります。確かに売り上げは一部上場と比べ少ないですが、製品やサービスのレベルは一部上場企業と変わらないものが数多くあります。そういう企業の“本質”を見て欲しいと常々思っています。
 実は私たち銀行員は(企業の)決算書の内容を見るのも大きな仕事です。そうすると鳥取県内で「売り上げはそれほど多くないけど財務内容は非常に良い」、「技術力があり、それによって付加価値が上がり利益が出ている」、「大企業の孫請けでも非常に付加価値の高い製品を作っている」という企業があることが分かります。私たち経済界も、そのことを学生にもっとしっかりと知っていただく機会を創っていきたいと思います。




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