大学院持続性社会創生科学研究科工学専攻2年の宮脇史織さん(蛋白質工学研究室)と工学部の溝端知宏准教授の研究チームの研究成果が、米国American Society for Biochemistry and Molecular Biology (ASBMB) が発行する研究雑誌「Journal of Biological Chemistry」に掲載されることになりました。
本研究は、大腸菌の外膜・内膜間ペリプラズムに存在し、大腸菌に耐酸性能力を付与するHdeAという分子シャペロンを対象にしています。今回の研究ではHdeAが分子シャペロンとして働いているとき、条件によりパーキンソン病などでしばしば見られるタンパク質の「アミロイド線維」に酷似した沈殿を可逆的に形成することを見いだしました。
本研究の成果はタンパク質の構造と働きの複雑な関係を解明する重要な新しい知見であり、将来的にはこの発見が新しいグラム陰性細菌の感染予防法の開発等につながると期待されます。
論文タイトル: Acid-denatured small heat shock protein HdeA from Escherichia coli forms reversible fibrils with an atypical secondary structure
著者名: Shiori Miyawaki, Yumi Uemura, Kunihiro Hongo, Yasushi Kawata, and Tomohiro Mizobata
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