鳥取大学医学部解剖学講座の岡崎健治助教らの研究グループが、上海市の遺跡から出土した184体の新石器時代人骨をクリーニング・分析する過程で、結核症を患っていた人骨を発見しました。この人骨は5000年以上前に埋葬された女性であり、東アジアで最古の結核症の証拠になります。
本研究の成果によって、水田稲作の起源地である長江デルタ地域にて東アジア最古の結核症を確認したことは、結核菌と水田稲作の濃密な関係が少なくとも新石器時代まで遡ることを裏付けました。水田稲作の発展に伴う社会環境の変化によって結核菌がヒトと共生することが可能になったものと考えられます。日本人の起源問題に関連する古代における結核の拡散ルートの解明につながることが期待されます。
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