○鳥取大学医学部及び大学院医学系研究科等における臨床研究に係る利益相反管理規程
平成21年5月7日
鳥取大学規則第50号
(目的)
第1条 この規程は,鳥取大学における利益相反ポリシー(平成27年1月20日学長決裁)及び鳥取大学医学部及び大学院医学系研究科等における臨床研究に係る利益相反方針(平成21年4月1日制定。以下「利益相反方針」という。)に則り,鳥取大学医学部,大学院医学系研究科及び医学部附属病院(以下「医学部等」という。)における臨床研究の実施者及びその関係者の利益相反(以下「利益相反」という。)が深刻な事態へと発展することを未然に防止するため,臨床研究に係る利益相反の適切な管理(以下「利益相反マネジメント」という。)に関し必要な事項を定め,もって臨床研究の適正な推進を図ることを目的とする。
一 臨床研究 医学部等において,医療における疾病の予防,診断及び治療方法の改善,疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学的研究であって,ヒトを対象とするもの(個人を特定できるヒト由来の材料及びデータに関する研究を含む。)をいう。
二 臨床研究実施者 臨床研究に携わる医師,歯科医師,研究者等をいい,臨床研究協力者(臨床研究実施者に指導・監督され,専門的立場から研究業務に協力する者)を除く。
三 臨床研究関係者 鳥取大学医学部長(以下「医学部長」という。),鳥取大学大学院医学系研究科長,鳥取大学医学部附属病院長(以下「病院長」という。),鳥取大学医学部倫理審査委員会委員,鳥取大学医学部附属病院治験審査委員会委員,鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会委員その他臨床研究に関し産学(官)連携業務に携わる職員をいう。
四 被験者 臨床研究を実施される者若しくは臨床研究を実施されることを求められた者,又は臨床研究に用いようとする血液,組織,細胞,体液,排泄物及びこれらから抽出したDNA等のヒトの体の一部並びに診療情報(死者に係るものを含む。)を提供する者をいう。
五 経済的利益 臨床研究実施者及び臨床研究関係者(以下「臨床研究実施者等」という。)が,臨床研究により本学以外の第三者から得る利益で,次に掲げるものをいう。
イ 金銭的収入,株式保有等
ロ 知的財産の取得
ハ 提供を受けた設備,物品等又は役務により得られる利益
六 経営関与 臨床研究に関係する企業等の役員等に就任し,当該企業等の経営に関与することをいう。
七 利益相反 臨床研究実施者等が,臨床研究によって得た経済的利益及び経営関与が,当該臨床研究実施者等の本来の責務と衝突・相反し,医学部等の社会的信頼が損なわれ得る状況をいう。
(利益相反マネジメントの対象及び基準)
第3条 利益相反マネジメントの対象者は,次に掲げる者とする。
一 臨床研究実施者等
二 臨床研究実施者等の配偶者(婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)及び臨床研究実施者等と同居する又は別居で生計を一にする当該臨床研究実施者等の親族
三 その他第5条に規定する審査委員会が必要と判断した者
2 利益相反マネジメントにおける臨床研究の透明性の確保のため,次に掲げるものを開示対象とする。
一 経済的利益
二 経営関与
3 利益相反マネジメントは,臨床研究を実施するに当たり,被験者及び社会に対し,教育者・研究者又は医療関係者としての公正性に客観的な疑念を生じさせるか否かを判断基準として行うものとする。
(臨床研究実施者等の責務)
第4条 臨床研究実施者等は,利益相反の発生が懸念される場合は,この規程に定めるところにより所定の手続きを経るほか,透明性,公正性の確保に自ら努めるものとする。
(臨床研究利益相反審査委員会)
第5条 臨床研究に係る利益相反に関する次に掲げる重要事項について調査・審議・審査するため,鳥取大学医学部に臨床研究利益相反審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。
一 利益相反の防止に関すること。
二 利益相反に係る調査及び審査に関すること。
三 利益相反方針に関すること。
四 その他利益相反マネジメントに関すること。
(組織)
第6条 審査委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。ただし,委員の氏名は,公表しない。
一 医学部倫理審査委員会委員長
二 医学部附属病院治験審査委員会委員長
三 医学部長が指名する教員 若干人
四 その他審査委員会が必要と認めた者(外部委員含む。) 若干人
(委員長)
第7条 審査委員会に委員長を置き,委員の互選により定める。
2 委員長は,審査委員会を招集し,その議長となる。
3 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長の指名する委員が,その職務を代行する。
(議事)
第8条 審査委員会は,委員の過半数の出席をもって開くものとする。
2 議事は,出席した委員の3分の2以上の賛成をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。
(利益相反マネジメントの手続き)
第9条 臨床研究実施者は,臨床研究(臨床研究法(平成29年法律第16号)に定める特定臨床研究(以下「特定臨床研究」という。)を除く。)を実施しようとするときは,別に定める様式による利益相反に係る自己申告書(以下「申告書」という。)及び臨床研究実施計画書を作成し,審査委員会に提出するものとする。
2 臨床研究実施者は,特定臨床研究を実施しようとするときは,病院長が定める臨床研究法における臨床研究に関する標準業務手順書により利益相反管理基準及び利益相反管理計画を作成し,利益相反マネジメントを行うものとする。
3 臨床研究実施者は,第1項により申告した臨床研究に関し,その経済的利益及び経営関与の態様に変更,若しくは新しく利益相反状態が発生した場合は,その変更又は発生の日から6週間以内に,再度申告書を審査委員会に提出するものとする。
6 審査委員会は,前項の調査の結果,当該申告に係る臨床研究について利益相反の疑義が生じることが懸念される場合あるいは生じている場合は,必要に応じて当該臨床研究実施者等に対し事情聴取等を行い,当該利益相反が許容できるか否かを審査し,場合により助言を行うほか,改善を要すると認めたときは,指導・勧告を行うとともに,当該研究の倫理審査委員会等に報告するものとする。
7 審査委員会は,前項の指導・勧告を行った場合は,当該臨床研究実施者等に当該指導・勧告に基づく是正結果の報告を求め,評価するものとする。
8 臨床研究実施者は,審査委員会が行う調査等に協力するものとし,指導・勧告を受けた場合には,審査委員会の求めに応じて指導・勧告に対する是正結果を報告しなければならない。
9 審査委員会は,審査委員会の決定に対して不服のある者から再度審査を求められた場合は,再度審査を行うものとし,この場合において,審査結果の決定に当たっては,医学部長及び病院長と協議するものとする。
2 委員長は,前項の審査結果を遅滞なく各委員に資料等を添えて通知するものとする。
(審査委員会の公正性の確保)
第11条 委員は,委員就任に当たり,あらかじめ自身の経済的利益及び経営関与の状況について申告書を審査委員会に提出し,委員相互による確認を経ておかなければならない。
2 前項の確認の結果,申告のあった臨床研究について利益相反が発生する状況にあると考えられる委員は,当該申告に係る審査には加わらないものとする。
(事務)
第12条 審査委員会の事務は,米子地区事務部経営企画課において処理する。
(雑則)
第13条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,別に定める。
2 審査委員会の議事及び運営に関し必要な事項は,審査委員会が別に定める。
附則
1 この規程は,平成21年5月7日から施行し,平成21年4月1日から適用する。
2 この規程施行による最初の審査委員会は,第7条第2項の規定にかかわらず,医学部長が招集する。
附則(平成26年3月31日鳥取大学規則第46号)
この規程は,平成26年4月1日から施行する。
附則(平成30年7月31日鳥取大学規則第76号)
この規程は,平成30年8月1日から施行する。
附則(平成31年2月13日鳥取大学規則第5号)
この規程は,平成31年2月13日から施行し,改正後の鳥取大学医学部及び大学院医学系研究科等における臨床研究に係る利益相反管理規程(以下「改正後の規程」という。)の規定は,平成30年4月1日から適用する。ただし,改正後の規程第2条第3号の規定は,平成30年5月24日から適用する。