○鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会規程

令和2年12月4日

鳥取大学規則第79号

(設置)

第1条 国立大学法人鳥取大学長(以下「学長」という。)は,国立大学法人鳥取大学(以下「本学」という。)に,臨床研究法(平成29年法律第16号。以下「法」という。)に定める特定臨床研究の実施に係る審査意見業務を行う委員会として,鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(定義)

第2条 この規程における用語の定義は,法及び臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号。以下「施行規則」という。)に定めるところによる。

(審査意見業務)

第3条 委員会は,次に掲げる審査意見業務を行う。

 法第23条第1項第1号に規定する実施計画及び実施計画の変更について意見を求められた場合において,施行規則に定める臨床研究の実施に関する基準(以下「臨床研究実施基準」という。)に照らして審査(以下それぞれ「新規審査」及び「変更審査」という。)を行い,研究責任医師に対し,特定臨床研究の実施の適否及び実施に当たって留意すべき事項について意見を述べる業務

 法第23条第1項第2号に規定する特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病等の報告を受けた場合において,必要があると認めるときに,研究責任医師に対し,当該報告に係る疾病等の原因の究明又は再発防止のために講ずべき措置について意見を述べる業務

 法第23条第1項第3号に規定する研究責任医師から1年ごとの定期報告を受けた場合において,必要があると認めるときに,研究責任医師に対し,当該報告に係る特定臨床研究の実施に当たって留意すべき事項又は改善すべき事項について意見を述べる業務

 法第23条第1項第4号に規定する前3号のほか,必要があると認めるときに,特定臨床研究を臨床研究実施基準に適合させるために改善すべき事項又は疾病等の発生防止のために講ずべき措置について意見を述べる業務

2 前項の審査意見業務には,研究責任医師が策定・提出した利益相反管理基準及び利益相反管理計画並びに利益相反管理について審査を行い,意見を述べる業務を含むものとする。

3 特定臨床研究以外の臨床研究であっても,実施に関する計画に係る意見を求められた場合には,第1項各号に規定する審査意見業務と同様の業務を行うことができる。

(委員の構成)

第4条 委員会は,次の各号に掲げる者をもって構成する。ただし,当該各号の委員は,それぞれ当該号以外の号の委員を兼ねることができないものとする。

 医学又は医療の専門家 3人

 臨床研究の対象者の保護及び医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者 3人

 前2号に掲げる者以外の一般の立場の者 3人

2 委員会の構成は,次に掲げる基準を満たすものとする。

 男性及び女性がそれぞれ1名以上含まれていること。

 本学の医学部及び医学部附属病院の職員が半数未満であること。

 本学に属しない者が2名以上含まれていること。

3 委員は,学長が任命又は委嘱する。

4 委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の後任の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

5 委員は,第1項及び第2項の規定にかかわらず,次の各号のいずれかに該当するときは,委員となることができない。

 禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。

 法その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。

 過去3年以内に審査意見業務に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。

(委員長及び副委員長)

第5条 委員会に委員長を置き,委員の互選により定める。

2 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

3 委員会に副委員長を置き,委員のうちから委員長が指名する。

4 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときはその職務を代行する。

(会議)

第6条 委員会は,年12回以上定期的に開催する。

2 委員会は,次に掲げる要件の全てを満たさなければ会議を開くことができない。

 5名以上の委員が出席していること。

 男性及び女性の委員がそれぞれ1名以上出席していること。

 第4条第1項各号に掲げる委員がそれぞれ1名以上出席していること。

 本学の医学部及び医学部附属病院の職員が半数未満であること。

 本学に属しない者が2名以上出席していること。

3 委員の出席について,テレビ会議等の双方向の意思の疎通が可能な手段を用いた出席を可能とする。この場合において,会場に出席した場合と遜色のないシステム環境を整備するよう努め,委員長は適宜意見の有無を確認する等,テレビ会議等による出席者が発言しやすい進行について配慮する。

4 議決は,出席委員全員から意見を聴いた上で,原則として,出席委員の全員一致をもって行うよう努めなければならない。ただし,委員会において議論を尽くしても,出席委員全員の意見が一致しないときは,出席委員の過半数の同意を得た意見により決するものとし,賛成・反対・棄権の数を審査意見業務の過程に関する記録に記載するものとする。

(技術専門員の評価)

第7条 技術専門員は,次に掲げる者とする。

 審査意見業務の対象となる疾患領域の専門家

 毒性学,薬力学,薬物動態学等の専門的な知識を有する臨床薬理学の専門家

 生物統計家

 その他臨床研究の特色に応じた専門家

2 委員会は,実施計画の新規審査を行うに当たっては,次の第1号に掲げる評価書は必ず,第2号に掲げる評価書は必要に応じて,確認しなければならない。

 前項第1号に掲げる技術専門員の評価書

 当該特定臨床研究の特色を踏まえた前項第2号から第4号までに掲げる技術専門員の評価書

3 次の各号に掲げる場合においては,当該各号に定める評価書を前項第2号の評価書として,確認しなければならない。

 特定臨床研究に用いる未承認の医薬品が人に対して初めて用いられる場合又は特定臨床研究に用いる医薬品を承認された範囲を超えた投与量で用いる場合 第1項第2号に掲げる技術専門員の評価書

 医薬品等の有効性を検証するための特定臨床研究である場合 第1項第3号に掲げる技術専門員の評価書

4 実施計画の新規審査以外の審査意見業務を行うに当たっては,必要に応じ,技術専門員から意見を聴かなければならない。

(審査手数料)

第8条 委員会は,委員会に実施計画を提出する者又は特定臨床研究に係る報告をする者から次項に定める審査意見業務に要する費用(以下「審査手数料」という。)を徴収する。ただし,学長が特に認めた場合は,審査手数料を免除することができる。

2 審査手数料は,1件につき,別表に掲げる額とする。

3 研究責任医師は,審査手数料に係る請求書を受理した日から起算して30日以内にその全額を納入しなければならない。

4 既納の審査手数料は,返還しない。

(審査意見業務への関与)

第9条 次に掲げる委員又は技術専門員は,審査意見業務に参加してはならない。ただし,第2号又は第3号に該当する委員又は技術専門員については,委員会の求めに応じて,意見を述べることができる。

 審査意見業務の対象となる実施計画の研究責任医師又は研究分担医師である者

 審査意見業務の対象となる実施計画の研究責任医師と同一医療機関の同一診療科に属する者又は当該研究責任医師と過去1年以内に多施設で実施する共同研究(特定臨床研究及び医師主導治験に該当するものに限る。)を実施していた者(特定臨床研究にあっては研究責任医師,医師主導治験にあっては治験責任医師及び治験調整医師)

 審査意見業務を依頼した研究責任医師が属する医療機関の管理者である者

 前3号に掲げるもののほか,審査意見業務を依頼した研究責任医師又は審査意見業務の対象となる特定臨床研究に関与する医薬品等製造販売業者等と密接な関係を有している者であって,当該審査意見業務に参加することが適切でない者

(委員以外の者の出席)

第10条 委員長が必要と認めたときは,委員会に申請者,技術専門員その他の委員以外の者の出席を求め,その説明又は意見を聴くことができる。

(申請,審査及び判定の通知等)

第11条 研究責任医師は,審査申請書類に必要事項を記入し,実施計画とともに委員会に提出しなければならない。

2 委員会は,特定臨床研究に関し必要な事項について審査し,審査結果を審査結果通知書により研究責任医師に通知しなければならない。

3 審査の判定は,次に掲げる区分により行う。

 承認

 不承認

 継続審査

4 第2項の通知を行うに当たっては,審査の判定が,不承認又は継続審査である場合は,その条件又は理由等を記載しなければならない。

(疾病等の報告に係る審査意見業務)

第12条 委員会は,研究責任医師から第3条第1項第2号に規定する疾病等に関する報告を受けたときは,必要に応じて剖検報告書,末期の医療記録その他の追加情報の提出を研究責任医師に求め,当該疾病等の因果関係,原因の分析及び研究の中断を含む講ずべき措置について意見を述べる。

(定期報告に係る審査意見業務)

第13条 委員会は,研究責任医師から第3条第1項第3号に規定する定期報告を受けたときは,次に掲げる事項を含めて審査し,特定臨床研究の継続の適否について意見を述べる。この場合において,必要があると認める場合は,当該研究の実施に当たって留意すべき事項又は改善すべき事項についても意見を述べるものとする。

 当該特定臨床研究に参加した特定臨床研究の対象者の数

 当該特定臨床研究に係る疾病等の発生状況及びその後の経過

 当該特定臨床研究に係る施行規則又は研究計画書に対する不適合の発生状況及びその後の対応

 当該特定臨床研究の安全性及び科学的妥当性についての評価

 当該特定臨床研究の利益相反管理に関する事項

(簡便又は緊急に審査を行う場合の手続)

第14条 委員会の審査において,特定臨床研究に従事する者の職名の変更,特定臨床研究の進捗状況の変更その他の特定臨床研究の実施に重要な影響を与えないものについて提出書類の修正等を行うことにより第11条第3項第1号に規定する「承認」の判定を行うことができると議決された場合であって,研究責任医師が委員会の指示に従って対応するときは,修正等の内容の確認及び審査結果の通知は委員長に一任するものとする。この場合において,委員長は,後日開催される委員会においてその結果を報告しなければならない。

2 第3条第1項第2号に規定する疾病等の報告に係る審査意見業務又は同項第4号に規定する必要があると認めるときに係る審査意見業務を行う場合であって,特定臨床研究の対象者の保護の観点から緊急に中止その他の措置を講ずる必要があるときは,委員長及び委員長が指名する委員2名による審査意見業務を行い,講ずべき措置を決定する。この場合においては,後日開催される委員会において議決を得なければならない。

(規程,委員名簿等の公表及び保存)

第15条 学長は,審査意見業務の透明性を確保するため,この規程,委員名簿及び委員会における審査意見業務の過程に関する記録を,厚生労働省が整備するデータベースにより公表する。

2 学長は,この規程及び委員名簿を,委員会を廃止した日から5年間保存する。

3 学長は,委員会における審査意見業務の過程に関する記録を,特定臨床研究が終了した日から5年間保存する。

(運営に関する情報の公表)

第16条 学長は,研究責任医師が,委員会に関する情報を容易に収集し,効率的に審査意見業務を依頼することができるよう,委員会開催日程,申請受付状況,申請受付日,審査結果通知予定日,申請相談先・相談内容及び委員会の審査手数料を公表する。

(審査意見業務の適切な実施)

第17条 委員会は,審査意見業務を行う順及び内容について,審査意見業務を依頼する者にかかわらず公正な運営を行わなければならない。

(他機関からの審査依頼)

第18条 学長は,本学以外の研究機関,医療機関等(以下「他機関」という。)からの審査依頼を受け入れることができるものとする。

2 前項の審査依頼は,次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り受け入れるものとする。

 研究計画の難易度・規模等について,当該他機関の長が当該他機関の設備・人員等に鑑み,実施可能であると判断していることが明確な場合

 委員長が委員会において審査可能であると判断した場合

(委員会の廃止)

第19条 学長は,委員会を廃止しようとする場合は,あらかじめ,当該委員会に実施計画を提出していた研究責任医師に通知するとともに厚生労働大臣に届け出なければならない。

2 学長は,委員会を廃止したときは,速やかに,その旨を当該委員会に実施計画書を提出していた研究責任医師に通知するとともに,当該特定臨床研究の実施に影響を及ぼさないよう,他の認定臨床研究審査委員会を紹介することその他の適切な措置を講じなければならない。

(秘密保持義務)

第20条 委員会の委員,技術専門員,委員会の事務局員その他の委員会の審査意見業務に従事する者又はこれらの者であった者は,正当な理由がなく,当該審査意見業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(苦情及び問合せの対応の手順)

第21条 学長は,審査意見業務を適正に実施するため,苦情及び問合せを受け付ける窓口を委員会の事務局に置くものとする。

2 窓口の利用は,電話,電子メール,FAX,書面,又は面会のいずれかによるものとする。

3 窓口担当者が苦情及び問合せを受け付けた場合には,必要に応じ,その旨を学長に報告するものとし,報告を受けた学長は適切に対応するものとする。

(教育研修)

第22条 学長は,年1回以上,委員会の委員,技術専門員及び委員会の事務局員その他の委員会の運営に関する事務を行う者の教育又は研修の機会を継続的に確保し,受講状況を管理しなければならない。

2 新任の委員に対する教育又は研修は,着任時に行うものとする。

(事務局の設置)

第23条 学長は,委員会の事務局を医学部附属病院新規医療研究推進センター(以下「センター」という。)内に設置する。

2 事務局員は4名以上とし,うち2名は臨床研究審査委員会等の事務局業務について1年以上の経験年数を有する専従者とする。

3 事務局員はセンター及び米子地区事務部経営企画課の教職員をもって構成するものとする。

(権限の委任)

第24条 学長は,次に掲げるもの以外のこの規程に規定する学長の権限を医学部附属病院長に委任する。

 委員会の設置及び廃止

 委員会の廃止に係る厚生労働大臣への届出

 この規程の改廃

(事務)

第25条 委員会の事務は,委員会の事務局及び米子地区事務部経営企画課の連携の下処理する。

(雑則)

第26条 この規程に定めるもののほか,委員会の運営に関し必要な事項は別に定める。

(施行期日)

1 この規程は,この規程による鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会(以下「新委員会」という。)が厚生労働大臣の認定を受ける日(以下「認定日」という。)から施行する。

(旧委員会から新委員会への引継ぎ)

2 認定日の前日において,鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会規程(平成30年鳥取大学規則第28号。以下「旧規程」という。)による鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会(以下「旧委員会」という。)が現に審査意見業務を行っている臨床研究については,認定日以後,新委員会に引き継ぐものとする。

(旧規程の失効)

3 旧規程は,旧規程第19条第1項の規定に基づき,学長が,旧委員会の廃止について厚生労働大臣に届け出た日の翌日に,その効力を失う。

(令和3年7月1日鳥取大学規則第71号)

この規程は,令和3年7月1日から施行する。

別表(第8条関係)

審査手数料

審査意見業務の区分

金額

(消費税及び地方消費税を含む。)

新規審査

330,000円

変更審査※

165,000円

定期報告について意見を述べる業務

165,000円

※ 変更審査は,次に掲げる変更がある場合に審査手数料を徴収するものとする。

・主要目的の変更

・主要評価項目の変更

・研究対象者の変更

・侵襲を伴う検査・観察項目の追加

・安全性情報の更新

・目標症例数の変更

・主要評価項目の解析方法の変更

鳥取大学医学部附属病院臨床研究審査委員会規程

令和2年12月4日 規則第79号

(令和3年7月1日施行)

体系情報
第9章
沿革情報
令和2年12月4日 規則第79号
令和3年7月1日 規則第71号