○鳥取大学学生の懲戒等に関する規則
平成21年4月8日
鳥取大学規則第47号
(趣旨)
第1条 この規則は,鳥取大学学則(平成16年鳥取大学規則第55号)第81条及び鳥取大学大学院学則(平成16年鳥取大学規則第56号)第68条に規定する鳥取大学(以下「本学」という。)学生の懲戒及び教育的指導として行う厳重注意(以下「懲戒等」という。)について,適正かつ公正な運用を図るために必要な事項を定めるものとする。
(基本的な考え方)
第2条 懲戒等は,その対象となる行為の態様,結果,影響等を総合的に検討し,教育的配慮を加えた上で行われなければならない。
2 学生に課せられる不利益は,懲戒目的を達成するために必要な限度にとどめなければならない。
(懲戒の対象行為)
第3条 懲戒の対象となる行為は,次に掲げるものとする。
一 刑法(明治40年法律第45号)その他法令・条例に規定する犯罪に該当する行為
二 交通法規に違反する行為
三 ハラスメント等の人権を侵害する行為
四 本学の規則に違反する行為
五 その他学生としての本分に反する行為
一 退学 学生としての身分をはく奪すること。この場合,再入学は認めない。
二 停学 一定の期間又は期間を定めずに登校を停止させること。この場合,教育課程の履修及び課外活動を禁止する。
三 訓告 文書により注意を与え,将来を戒めること。
2 前項第2号の停学の区分は,次のとおりとする。
一 有期停学 3ヵ月以内の確定期限を付すもの
二 無期停学 確定期限を付さず,指導の状況を勘案しながら解除の時期を決定するもの
3 停学期間中の学生は,停学処分学生の心得(昭和43年12月21日補導協議会承認)を厳守しなければならない。
4 停学期間は,在学期間に含める。
(厳重注意)
第5条 学部長又は研究科長(以下「学部長等」という。)は,第3条各号に掲げる行為の程度が軽微であり,情状の余地があると判断したときは,理事(教育担当)(以下「教育担当理事」という。)に協議(教育担当理事が持続性社会創生科学研究科長を兼ねる場合は,専攻長が教育担当理事に協議するものとする。以下同じ。)の上,当該行為を行った学生に対し,教育的指導の観点から厳重注意を行うことができる。
2 厳重注意は,訓告に至らないものであって,当該行為を厳重に注意することをいう。
3 厳重注意は,口頭又は文書により行うものとする。
2 学部長等は,懲戒処分の手続を進めるに当たっては,当該学生に懲戒処分の対象となる事案がある旨を通知し,口頭又は文書による弁明の機会を与えなければならない。ただし,当該学生が,正当な理由がなく,弁明をしない場合は,この権利を放棄したものとみなす。
(懲戒等の処分の決定)
第9条 学長は,学部長等から前条第1項の懲戒処分の上申があった場合は,訓告,停学処分に相当すると認める事案にあっては学生生活支援委員会,退学処分に相当すると認める事案にあっては学生生活支援委員会及び教育研究評議会の議を経て,懲戒処分を決定する。
一 鳥取大学におけるハラスメントの防止等に関する規程(平成16年鳥取大学規則第43号)第17条に基づき学生の懲戒等の処分を必要とすると学長が判断したとき。
二 鳥取大学における研究活動の不正行為の防止等に関する規則(平成19年鳥取大学規則第27号)第38条及び第39条に基づき学生の懲戒等の処分を必要とすると学長が判断したとき。
3 厳重注意については,学部等において決定する。
(学生懲戒審査委員会)
第10条 学長は,前条第2項各号に規定する場合には,学生懲戒審査委員会を設置する。
2 学生懲戒審査委員会は,次に掲げる者をもって組織する。
一 教育担当理事
二 ハラスメント調査委員会委員又は研究活動不正調査委員会委員のうち学長が指名した者 若干人
三 当該学生の所属する学部又は研究科(以下「学部等」という。)の学部長等及び副学部長・副研究科長
四 学生支援センター長
五 その他学長が必要と認めた者
3 学生懲戒審査委員会に委員長を置き,前項第1号の委員をもって充てる。
4 学生懲戒審査委員会は,ハラスメント調査委員会又は研究活動不正調査委員会作成の調査報告書に基づき,懲戒処分の量定について審議し,懲戒処分案を作成する。
5 学生懲戒審査委員会は,前項の懲戒処分案の作成に当たり,当該学生に懲戒処分の対象となる事案がある旨を通知し,口頭又は文書による弁明の機会を与えなければならない。ただし,当該学生が,正当な理由がなく,弁明をしない場合は,この権利を放棄したものとみなす。
6 学生懲戒審査委員会は,懲戒審査報告書(別紙様式第3号)により懲戒処分案を学長に報告する。
(懲戒処分の通知及び公表)
第11条 懲戒処分は,学長の命により当該学部長等が当該学生へ懲戒処分書(別紙様式第4号)を交付することにより行う。
2 学長は,学生の懲戒処分を行ったときは,同種の懲戒の対象となる行為を防止し,学生の規範意識を啓発する目的で,当該懲戒処分の内容を学内の掲示等により公表するものとする。ただし,当該学生の氏名,学生番号その他個人を特定できる情報は公表しない。
(無期停学処分の解除)
第12条 学部長等は,無期停学処分を受けた学生について,その反省の程度及び学習意欲等を総合的に判断して,その処分を解除することが適当であると思われるときは,教授会等の議を経て,学長に対し,学生の懲戒処分解除について(上申)(別紙様式第5号)に反省の程度及び学習意欲等に関する学部長等の意見(副申書)を添えて,処分の解除を上申することができる。
2 学長は,前項の上申を受けたときは,学生生活支援委員会又は教育研究評議会の議を経て,無期停学処分の解除を決定する。
3 無期停学処分の解除は,学長の命により当該学部長等が当該学生へ懲戒処分解除書(別紙様式第6号)を交付することにより行う。
一 退学又は停学処分に該当することが明白である場合
二 適正な調査の遂行並びに当該学生及び他の学生の保護が必要な場合
三 その他教育担当理事が必要と認めた場合
2 前項により謹慎を命じた場合において,懲戒処分が停学であるときは,当該謹慎の期間は,停学の期間に算入する。
(不服申立て)
第14条 懲戒処分を受けた学生は,事実誤認,新事実の発見その他正当な理由がある場合は,文書により学長に対して,懲戒処分書を受け取った日の翌日から起算して14日以内に不服申立てを行うことができる。
2 学長は,前項の不服申立てを受理した場合には,速やかに教育担当理事及び当該学部長等の意見を聴いた上で,審査の要否を決定しなければならない。
3 学長は,審査の必要があると決定した場合には,直ちに,当該教授会等又は学生懲戒審査委員会に審査を行わせ,その結果を報告させるものとする。
4 学長は,前項の報告を受けたときは,教育研究評議会の議を経て,当該懲戒処分に係る審査の結果を決定する。
5 学長は,速やかに,前項の審査の結果又は審査の必要がないと決定した場合はその旨を文書により当該学生に通知する。
6 不服申立ては,原則として懲戒処分の効力を妨げない。
(逮捕・勾留時の取扱い)
第15条 学生が逮捕・勾留され,大学として本人に接見することができない場合であっても本人が罪状を認めている場合は,慎重に検討し懲戒処分を行うことができる。
2 前項と同様に大学として本人に接見することができない場合で,本人が罪状を否認している場合においても,大学として懲戒処分の手続きを開始するかどうか慎重に検討し,開始することが妥当であると判断した場合は,裁判の推移等を考慮し,懲戒処分を行うことができる。
(懲戒処分と自主退学)
第16条 学部長等は,懲戒の対象となる行為を行った学生から,懲戒処分の決定前に自主退学の申出があった場合には,原則としてこの申出を受理しないものとする。
(守秘義務)
第17条 学生の懲戒等に関する事項に携わった者は,その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
(事務)
第18条 学生の懲戒等に関する事務は,各学部等の協力を得て,学生部学生生活課において処理する。
(雑則)
第19条 この規則に定めるもののほか,学生の懲戒等について必要な事項は,別に定める。
附則
1 この規則は,平成21年4月8日から施行する。
2 学生の懲戒処分に関する手続(内規)(昭和30年10月3日学長決裁)は,廃止する。
附則(平成27年3月24日鳥取大学規則第28号)
この規則は,平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月31日鳥取大学規則第42号)
この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年1月10日鳥取大学規則第2号)
この規則は,平成30年4月1日から施行する。
附則(平成30年7月31日鳥取大学規則第76号)
この規則は,平成30年8月1日から施行する。
附則(令和元年5月14日鳥取大学規則第1号)
この規則は,令和元年5月14日から施行し,改正後の鳥取大学学生の懲戒等に関する規則の規定は,令和元年5月1日から適用する。
附則(令和元年9月11日鳥取大学規則第12号)
この規則は,令和元年9月11日から施行する。
附則(令和3年5月14日鳥取大学規則第59号)
この規則は,令和3年5月14日から施行する。
附則(令和4年3月7日鳥取大学規則第29号)
この規則は,令和4年4月1日から施行する。
附則(令和6年10月9日鳥取大学規則第82号)
この規則は,令和6年10月9日から施行する。
別表(第6条関係)
懲戒等の処分の標準例
区分 | 行為の内容 | 懲戒等の種類 |
犯罪行為 | 殺人,強盗,不同意性交等,放火,身代金誘拐,傷害等の凶悪な犯罪行為又は犯罪未遂行為 | 退学 |
窃盗,詐欺,恐喝,強迫,強要,過失致死,過失傷害等の犯罪行為を行った場合 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 | |
賭博,住居侵入,他人を傷害するに至らない暴力行為等の犯罪行為であって,刑法等に抵触する場合 | 停学又は訓告 | |
痴漢行為,わいせつ行為,のぞき見行為,盗撮行為,その他の迷惑行為等であって,刑法,軽犯罪法,青少年保護条例,迷惑防止条例等に抵触する場合 | 退学,停学又は訓告 | |
ストーカー行為等の規制等に関する法律に抵触する極めて悪質な犯罪行為を行った場合 | 退学 | |
ストーカー行為等の規制等に関する法律に抵触する上記以外の犯罪行為を行った場合 | 停学又は訓告 | |
薬物犯罪(麻薬,大麻,あへん,覚醒剤,向精神薬,危険ドラッグ等の不法所持,使用,売買又はその仲介等)を行った場合 | 退学又は停学 | |
コンピュータ又はネットワークの不正使用に関する極めて悪質な犯罪行為を行った場合 | 退学 | |
コンピュータ又はネットワークの不正使用に関する上記以外の犯罪行為を行った場合 | 停学,訓告 | |
交通事故・違反 | 悪質な運転(飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転),無免許運転,大幅な制限速度超過違反等)による死亡事故又は高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合 | 退学 |
悪質な運転による上記以外の人身事故を伴う交通事故を起こした場合 | 退学又は停学 | |
人身事故を伴わない飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転),無免許運転,暴走運転等の悪質な交通法規違反 | 退学,停学又は訓告 | |
前方不注意等の相当な過失による死亡又は高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合 | 退学,停学又は訓告 | |
前方不注意等の相当な過失による上記以外の人身事故を伴う交通事故を起こした場合 | 停学又は訓告 | |
物損事故等の事故・違反の場合。ただし,反則金(交通反則通告制度に基づき行政処分として課される過料)に該当する場合で,軽微な道路交通法違反等については,対象としない。 | 厳重注意 | |
ハラスメント行為 | 鳥取大学におけるハラスメントの防止等に関する規程第2条第1号に規定するハラスメントを行った場合 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 |
研究活動不正行為 | 鳥取大学における研究活動の不正行為の防止等に関する規則第2条第2項に定義する捏造,改ざん,盗用等の不正行為について,同第3条に規定する遵守事項に違反した場合 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 |
非違行為 | 本学の財物に対し,著しく物的損傷を与えた場合 | 退学又は停学 |
本学の保有する機密情報を漏洩させる等,鳥取大学セキュリティ基本方針に関する規則(平成17年鳥取大学規則第3号)に規定する基本方針に違反する行為を行った場合 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 | |
アルコール飲料の一気飲み等により,20歳未満の者又は飲めない者等に飲酒を強制し,死に至らしめた場合 | 退学 | |
20歳未満の者と知りながら飲酒をさせた場合 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 | |
その他の非違行為 | 退学,停学,訓告又は厳重注意 |
備考
試験不正行為については,下記「試験において不正行為を行った場合の取扱いについて」(平成7年9月28日補導協議会承認)により取扱う。
1 当該期の単位はすべて認めない。
2 懲戒処分は行わない。