○鳥取大学利益相反管理規則
平成21年5月7日
鳥取大学規則第49号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 利益相反管理体制
第1節 利益相反審査委員会(第5条―第9条)
第2節 組織的利益相反審査委員会(第10条―第15条)
第3節 利益相反アドバイザー等(第16条―第18条)
第3章 利益相反マネジメントの実施
第1節 個人としての利益相反マネジメント(第19条―第22条)
第2節 組織としての利益相反マネジメント(第23条―第26条)
第3節 営利企業兼業に係る事前の利益相反マネジメント(第27条・第28条)
第4章 雑則(第29条―第33条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は,鳥取大学における利益相反ポリシー(平成27年1月20日学長決裁)に則り,鳥取大学(以下「本学」という。)における産官学連携活動等により生じる本学又は職員等の利益相反が深刻な事態に陥ることを未然に防止するため,利益相反の適切な管理(以下「利益相反マネジメント」という。)に関し必要な事項を定め,もって産官学連携活動の適正な推進を図ることを目的とする。
2 前項の規定にかかわらず,臨床研究その他研究等の特性に配慮すべき分野における利益相反マネジメント(組織としての利益相反マネジメントを除く。)については,鳥取大学医学部及び大学院医学系研究科等における臨床研究に係る利益相反管理規程(平成21年鳥取大学規則第50号)のほか,別に定めるところによる。
(定義)
第2条 この規則における用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
一 職員等 本学の役員及び職員をいう。
二 産官学連携活動 本学と企業等との間で行う共同研究,受託研究,技術移転(実施許諾,権利譲渡及び技術指導),職員等の兼業,研究助成金・寄附金の受入れ,施設,設備の利用の提供及び物品の購入等をいう。
三 個人としての利益相反 産官学連携活動によって起こる職員等が得る利益(兼業報酬,特許に係る収入によって得る利益,未公開株式の保有等)と本学における責任が衝突・相反する状況で,本学の社会的信頼が損なわれ得る場合をいう。
四 組織としての利益相反 本学又は学長,理事,副学長,部局長等の本学若しくは本学の組織として意思決定を行う権限を有する職員等(以下「意思決定権者」という。)が,企業等と経済的利益関係その他特別な関係にあることにより,本学における研究,教育若しくは社会貢献の客観性,独立性若しくは公平性に影響を及ぼす状態又は影響を及ぼすように社会から疑念を持たれ得る状態をいう。
五 責務相反 職員等の企業等に対する職務遂行責任と本学における職務遂行責任が両立し得ない状況をいう。
六 企業等 企業(大学発ベンチャーを含む。),国若しくは地方公共団体の行政機関又はその他の団体をいう。
七 部局等 本学の事務局,地域学部,医学部(医学系研究科を含む。),工学部(工学研究科を含む。),農学部,連合農学研究科,共同獣医学研究科,附属図書館,附属学校部,医学部附属病院,国際乾燥地研究教育機構,教育支援・国際交流推進機構,研究推進機構,とっとりNEXTイノベーションイニシアティブ,地域価値創造研究教育機構,情報戦略機構,染色体工学研究センター,保健管理センター及び技術部をいう。
八 部局長等 前号に規定する部局等の長をいう。ただし,事務局にあっては,事務局各部・課の業務を担当する理事又は副学長(監査室については,理事(総務担当))とする。
(個人としての利益相反マネジメントの対象)
第3条 個人としての利益相反マネジメントは,次の各号に掲げる場合を対象として行うものとする。
一 職員等が産官学連携活動を行う場合で,次のいずれかに該当する場合
ア 産官学連携活動に関与する企業等から一定額以上の金銭の供与を受ける場合
イ 産官学連携活動に関与する企業等から一定額以上の物品,サービス等を購入する場合
ウ 産官学連携活動に関与する企業等から一定比率以上の株式等を取得する場合
エ 学生等を産官学連携活動に従事させる場合
オ その他第5条に規定する鳥取大学利益相反審査委員会が対象として認めた場合
二 職員等(意思決定権者を除く。)が鳥取大学職員の兼業に関する規程(平成16年鳥取大学規則第44号)第5条ただし書きの規定に基づく学長の許可を受けて行う営利企業における兼業(同規程第28条第1項第1号から第6号及び第2項を除く。以下「営利企業兼業」という。)を行う場合
(組織としての利益相反マネジメントの対象)
第4条 組織としての利益相反マネジメントは,次の各号に掲げる場合を対象として行うものとする。
一 本学が単一の会社又は同じ共同持株会社を親会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第4号に規定する親会社をいう。)とする子会社(同法第2条第3号に規定する子会社をいう。)(以下「単一企業等」という。)から単年度において一定額以上の外部資金を受け入れる場合
二 本学又は意思決定権者が一定数又は一定割合以上の株式等(株式,新株予約権又は新株予約券付転換社債)を取得する場合
三 本学が国立大学法人法(平成15年法律第112号)第22条第1項第6号から第8号までに掲げる業務及び同項第9号に掲げる業務のうち出資に関するものを行う場合
四 意思決定権者が,単一企業等から単年度での合計額が一定額以上の金銭の供与を受ける場合
五 本学又は意思決定権者が単一企業等から単年度での合計額が一定額以上に相当する設備,機器,試料,試薬等の物品又は役務の無償提供を受ける場合
六 本学が本学に帰属する知的財産権に基づき,一定額以上に相当する実施料を受ける実施許諾等の技術移転契約をする場合
七 意思決定権者(役員を除く。)が営利企業兼業を行う場合
八 役員(非常勤の役員を除く。)が国立大学法人法第35条の2において準用する独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第50条の3に定める営利を目的とする団体の役員となり,又は自ら営利事業に従事する場合
第2章 利益相反管理体制
第1節 利益相反審査委員会
(利益相反審査委員会)
第5条 本学に,個人としての利益相反及び責務相反に関する重要事項の審査等を行うため,鳥取大学利益相反審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員会の所掌事項)
第6条 委員会の所掌事項は,次の各号に掲げるとおりとする。
一 利益相反に係る調査及び審査に関すること。
二 利益相反ポリシーに関すること。
三 利益相反に係る施策及び啓発に関すること。
四 その他利益相反マネジメントに関すること。
(委員会の組織)
第7条 委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。
一 理事(研究担当)
二 研究推進機構長が推薦する研究推進機構の副機構長 1名
三 研究推進機構長が推薦する研究推進機構研究戦略本部の職員 1名
四 研究推進部長
五 総務企画部長
六 学外の有識者 若干名
七 その他委員会が必要と認める者
2 前項第6号の委員は,委員会の推薦を経て学長が委嘱する。
5 第1項第7号の委員の任期は,委員会がその都度定める。
(委員会の委員長)
第8条 委員会に委員長を置き,前条第1項第1号に規定する委員をもって充てる。
2 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。
3 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長の指名する委員が,その職務を代行する。
(委員会の議事)
第9条 委員会は,年1回開催するものとする。ただし,委員長が必要と認めたときは,臨時に開催することができる。
2 委員会は,委員の過半数が出席しなければ,議事を開き,議決することができない。
3 委員会の議事は,出席した委員の過半数をもって決する。ただし,可否同数となった場合は,委員長の決するところによる。
4 第6条第1号の審査等の当事者となる委員は,その議決に加わることはできない。
6 委員長が必要と認めたときは,委員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができる。
第2節 組織的利益相反審査委員会
(組織的利益相反審査委員会)
第10条 本学に,組織としての利益相反に関する重要事項の審査を行うため,鳥取大学組織的利益相反審査委員会(以下「組織的委員会」という。)を置く。
(組織的委員会の所掌事項)
第11条 組織的委員会の所掌事項については,第6条の規定を準用する。
(組織的委員会の委員長)
第13条 組織的委員会に委員長(以下「組織的委員長という」)を置き,利益相反アドバイザー又は学外の有識者の中から学長が任命又は委嘱する。
(組織的委員会の議事)
第14条 組織的委員会は,第24条第1項に定める場合その他組織的委員長が必要と認めた場合に開催する。
第3節 利益相反アドバイザー等
(利益相反アドバイザー)
第16条 本学に,利益相反マネジメントを適切に遂行するため,利益相反アドバイザーを置く。
2 利益相反アドバイザーは,委員会及び鳥取大学営利企業役員等兼業審査委員会(以下「兼業審査委員会」という。)の推薦により,専門的知識を有する者を学長が任命し,又は学外の者を学長が委嘱する。
3 利益相反アドバイザーは,次に掲げる業務を処理する。
一 利益相反に関する日常的な相談窓口として相談に応じること。
三 兼業に係る利益相反問題に対する調査や面談を行い,兼業審査委員会委員長に報告すること。
四 利益相反に関する相談に対して行った助言又は指導について,必要に応じて委員会又は組織的委員会に報告すること。
(各部局等における対応)
第17条 部局長等は,当該部局等の職員等に対し,利益相反の深刻な事態に該当する状況を生じさせないように指導するものとする。
(職員等の責務)
第18条 職員等は,利益相反に該当すると思われる場合は,利益相反アドバイザーに相談する等,利益相反の深刻な事態の回避に自ら努めるものとする。
2 職員等は,委員会等が行う調査等に協力するものとする。
第3章 利益相反マネジメントの実施
第1節 個人としての利益相反マネジメント
(自己申告書の提出及び調査)
第19条 第3条第1号に該当する産官学連携活動を行った職員等は,委員会の定めるところにより,利益相反に関する自己申告書を研究推進部研究推進課に提出するものとする。
2 前項に規定するもののほか,委員長が特に必要と認めるときは,職員等に利益相反に関する申告を行わせることができるものとする。
3 研究推進部研究推進課は,前2項の自己申告書の提出を受けたときは,利益相反に係る調査を実施する。この場合において,研究推進部研究推進課は,必要に応じて,利益相反アドバイザーに対して,自己申告書を提出した職員等に対しヒアリングの実施を依頼するものとする。
4 前項に基づき,利益相反アドバイザーが職員等にヒアリングを行おうとする場合は,職員等は,これに協力しなければならない。
5 利益相反アドバイザーは,第3項に基づき実施したヒアリングの結果を研究推進部研究推進課に報告しなければならない。
6 研究推進部研究推進課は,第3項の調査結果を委員会に報告する。
(委員会の審査及び判定)
第20条 委員会は,前条の調査等及び報告に基づき,利益相反状況を審査し,改善が必要であるか否かを判定する。
2 前項の審査及び判定の具体的な実施方法については,委員会が別に定める。
(判定結果に基づく処置)
第21条 委員会は,前条第1項により,改善を要すると判定したときは,学長に報告するものとする。
2 学長は,前項の報告に基づき,必要な措置を決定し,自己申告書を提出した職員等及び当該職員等が所属する部局長等に通知するものとする。
3 学長は,前項の通知を受けた職員等に対して,利益相反の改善状況について報告を求めることができる。
(自己申告書を提出した職員等による不服申立て)
第22条 職員等は,前条第2項の通知の内容に対し不服がある場合は,通知を受けた日から30日以内に学長に対して書面により不服申立てを行うことができる。
2 学長は,前項の不服申立てに関する書面を受理したときは,委員会に対し再審査を指示するものとする。
3 委員会は,前項の指示を受けて再審査を行うときは,当該不服申立てをした職員等が所属する部局長等に委員会への出席を求め,その意見を聴くものとする。
4 委員会は,再審査の結果を学長に報告するものとする。
5 学長は,前項の報告に基づき,不服申立てに対する措置を決定し,不服申立てをした職員等及び当該職員が所属する部局長等に通知するものとする。
第2節 組織としての利益相反マネジメント
(調書の作成と報告)
第23条 研究推進部研究推進課は,第4条各号のいずれかに該当する場合であって,別に定めるガイドラインに相当する場合は,調書を作成し,組織的委員会に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた組織的委員長は,必要と認めるときは,職員等に対し調書に関係する資料の提出を,利益相反アドバイザーに対し当該職員等のヒアリングの実施を,求めることができる。
3 前項に基づき,利益相反アドバイザーが職員等にヒアリングを行おうとする場合は,職員等は,これに協力しなければならない。
4 利益相反アドバイザーは,第2項に基づき実施したヒアリングの結果を組織的委員会に報告しなければならない。
(組織的委員会の調査,審査及び判定)
第24条 前条前4項の報告に基づき,組織的委員長は,必要と認めるときは,組織的委員会を開催する。
2 組織的委員会は,利益相反状況を調査及び審査し,改善が必要であるか否かを判定する。
3 前項の調査,審査及び判定の具体的な実施方法については,組織的委員会が別に定める。
(判定結果に基づく処置)
第25条 組織的委員会は,前条第2項により,改善を要すると判定したときは,学長に報告するものとする。
2 学長は,前項の報告に基づき,必要な措置を行う。ただし,調査,審査及び判定の対象が意思決定権者である場合にあっては,学長は,必要な措置を決定し,意思決定権者に通知するものとする。
3 学長は,前項の通知を受けた意思決定権者に対して,利益相反の改善状況について報告を求めることができる。
(意思決定権者による不服申立て)
第26条 意思決定権者は,前条第2項ただし書きに基づく通知の内容に対し不服がある場合は,通知を受けた日から30日以内に学長に対して書面により不服申立てを行うことができる。
2 学長は,前項の不服申立てに関する書面を受理したときは,組織的委員会に対し再審査を指示するものとする。
3 組織的委員会は,前項の指示を受けて再審査を行うときは,当該不服申立てをした意思決定権者以外の意思決定権者の出席を求め,その意見を聴くものとする。
4 組織的委員会は,再審査の結果を学長に報告するものとする。
5 学長は,前項の報告に基づき,不服申立てに対する措置を決定し,不服申立てをした意思決定権者に通知するものとする。
第3節 営利企業兼業に係る事前の利益相反マネジメント
(確認書の提出)
第27条 営利企業兼業を行おうとする職員は,当該営利企業兼業を開始する1月前までに,兼業審査委員会委員長が別に定める様式による兼業許可に係る利益相反確認書(以下「確認書」という。)を作成の上,利益相反アドバイザーに提出するものとする。
2 前項の確認書の提出をした職員は,必要に応じて,利益相反アドバイザーの面談を受けることができる。
(利益相反アドバイザーの確認等)
第28条 利益相反アドバイザーは,前条第1項により職員から提出された確認書により,利益相反の事実関係を確認するものとし,必要に応じて当該職員等にヒアリング等を行うことができる。
2 利益相反アドバイザーは,前項の確認の結果を兼業審査委員会に報告しなければならない。
3 職員から提出された確認書は,兼業審査委員会が,記録・保存するものとする。
第4章 雑則
(啓発活動)
第29条 委員会等は,利益相反に関する意識の向上を図るため,利益相反マネジメントの理念,方法等を職員等に周知するとともに,適宜啓発活動を行うものとする。
(学外への公表等)
第30条 学長は,必要に応じて,本学の利益相反に関する情報を学外に公表する。
2 本学の利益相反に関する学内外からの問合せについては,委員会等が,学長及び当該利益相反に関係する職員等の所属する部局長等と対応を協議し,対応するものとする。
(秘密の保持)
第31条 委員,利益相反アドバイザーその他利益相反への対応に関わる全ての者は,職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(事務)
第32条 利益相反マネジメントに関する事務は,関係部局課の協力を得て,研究推進部研究推進課において処理する。
(雑則)
第33条 この規則に定めるもののほか,利益相反マネジメントに関し必要な事項は,委員会等又は兼業審査委員会が別に定める。
附則
1 この規程は,平成21年5月7日から施行し,平成21年4月1日から適用する。
2 鳥取大学利益相反委員会規則(平成18年鳥取大学規則第57号)は,廃止する。
附則(平成23年6月10日鳥取大学規則第57号)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附則(平成27年1月20日鳥取大学規則第2号)
この規程は,平成27年1月20日から施行する。
附則(平成27年3月24日鳥取大学規則第51号)
この規則は,平成27年4月1日から施行する。
附則(平成27年12月9日鳥取大学規則第104号)
この規則は,平成27年12月9日から施行する。
附則(平成29年3月28日鳥取大学規則第31号)
この規則は,平成29年4月1日から施行する。
附則(平成29年9月26日鳥取大学規則第77号)
この規則は,平成29年10月1日から施行する。
附則(平成30年3月27日鳥取大学規則第58号)
1 この規則は,平成30年4月1日から施行する。
2 この規則施行後最初に任命される第6条第1項第3号の委員の任期は,同条第3項の規定にかかわらず,平成31年3月31日までとする。
附則(平成31年3月26日鳥取大学規則第37号)
この規則は,平成31年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月23日鳥取大学規則第47号)
この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月29日鳥取大学規則第51号)
この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令和4年3月22日鳥取大学規則第36号)
この規則は,令和4年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月28日鳥取大学規則第46号)
この規則は,令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月28日鳥取大学規則第51号)
この規則は,令和6年4月1日から施行する。
附則(令和6年7月1日鳥取大学規則第62号)
この規則は,令和6年7月1日から施行し,令和6年4月1日から適用する。