○鳥取大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する規程

令和3年3月23日

鳥取大学規則第42号

(目的)

第1条 この規程は,障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「障害者差別解消法」という。)第9条第1項の規定に基づき,障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)に即して,障害者差別解消法第7条に規定する事項に関し,鳥取大学(以下「本学」という。)の教職員(有期契約職員を含む。以下「教職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

 障害者 障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条第1項に定める者をいう。

 社会的障壁 障害者基本法第2条第2項に定めるものをいう。

 障害を理由とする差別 障害者に対して,不当な差別的取扱いをすること又は合理的配慮の提供を行わないことをいう。

 不当な差別的取扱い 障害者に対して,正当な理由なく,障害を理由として,教育,研究その他本学が行う活動全般について機会の提供を拒否し,又は提供に当たって場所,時間帯等を制限すること,障害者でない者に対しては付さない条件を付けること等により,障害者の権利利益を侵害することをいう。ただし,障害者の事実上の平等を促進し,又は達成するために必要な特別な措置は,不当な差別的取扱いに当たらないものとする。

 合理的配慮 障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し,又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって,特定の場合において必要とされるものであり,かつ,均衡を失した又は過重な負担を課さないものをいう。

 部局等 本学の学長室,大学評価室,監査室,事務局,地域学部,医学部(医学系研究科を含む。),工学部(工学研究科を含む。),農学部,持続性社会創生科学研究科,連合農学研究科,共同獣医学研究科,附属図書館,附属学校部,医学部附属病院,乾燥地研究センター,国際乾燥地研究教育機構,教育支援・国際交流推進機構,研究推進機構,とっとりNEXTイノベーションイニシアティブ,地域価値創造研究教育機構,情報戦略機構,染色体工学研究センター,保健管理センター及び技術部をいう。

 部局長 前号に規定する部局等の長をいう。ただし,監査室にあっては事務局長とする。

(障害を理由とする差別の解消に関する推進体制)

第3条 本学における障害を理由とする差別の解消の推進(以下「障害者差別解消の推進」という。)に関する体制は,次の各号のとおりとする。

 最高管理責任者 障害者差別解消の推進及びそのための環境整備等(施設等のバリアフリー化の促進,必要な人材の配置,障害のある入学希望者及び学内の障害のある学生等に対する受入れ姿勢・方針の明示,情報アクセシビリティの向上等をいう。)に関し,本学全体を統括し,総括監督責任者及び監督責任者が適切に障害者差別解消の推進を行うようリーダーシップを発揮するとともに,最終責任を負うものとし,学長をもって充てる。

 総括監督責任者 最高管理責任者を補佐するとともに,教職員に対する研修,啓発の実施等,本学全体における障害者差別解消の推進に関し必要な措置を講ずるものとし,理事(総務担当)をもって充てる。

 監督責任者 部局等における障害者差別解消の推進に関し責任を有するとともに,当該部局等における副監督責任者を指定し,当該部局等における障害者差別解消の推進に必要な措置を講ずるものとし,部局長をもって充てる。

 副監督責任者 監督責任者を補佐するとともに,次条に規定する責務を果たすものとし,監督責任者の指定する者をもって充てる。

(副監督責任者の責務)

第4条 副監督責任者は,障害者差別解消の推進のため,次に掲げる事項に注意して障害者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう監督し,及び障害者に対して合理的配慮の提供がなされるよう努めなければならない。

 日常の業務を通じた指導等により,障害を理由とする差別の解消に関し,監督する教職員の注意を喚起し,障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。

 障害者から不当な差別的取扱い,合理的配慮の不提供に対する相談,苦情の申し出等があった場合は,迅速に状況を確認すること。

 合理的配慮の必要性が確認された場合,監督する教職員に対して,合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。

2 副監督責任者は,障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合は,監督責任者に報告するとともに,その指示に従い,迅速かつ適切に対処しなければならない。

(不当な差別的取扱いの禁止)

第5条 教職員は,その事務又は事業を行うに当たり,障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより,障害者の権利利益を侵害してはならない。

2 第2条第4号における「正当な理由」の有無は,単に一般的又は抽象的な理由に基づいて判断するのではなく,個別の事案ごとに,障害者,第三者の権利利益及び本学の教育,研究その他本学が行う活動の目的,内容,機能の維持等の観点に鑑み,具体的な状況等に応じて総合的かつ客観的に検討を行い判断するものとし,教職員は,正当な理由があると判断した場合は,障害者にその理由を説明し,理解を得るよう努めなければならない。

3 教職員は,前2項の規定を実施するため,別に定める留意事項に留意するものとする。

(合理的配慮の提供)

第6条 教職員は,その事務又は事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に過重な負担が課されないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について合理的配慮の提供をしなければならない。

2 前項の意思の表明は,言語(手話を含む。)のほか,点字,筆談,身振りサイン等による合図等,障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられること及び本人の意思表明が困難な場合は,障害者の家族,介助者等のコミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むことに留意するとともに,意思の表明がない場合であっても,当該障害者がその除去を必要としていることが明白である場合は,当該障害者に対して適切と思われる合理的配慮を提案するよう努めなければならない。

3 第2条第5号及び第1項における「過重な負担」に当たるか否かは,単に一般的又は抽象的な理由に基づいて判断するのではなく,個別の事案ごとに,次の各号の要素等を考慮し,具体的な状況等に応じて総合的かつ客観的に検討を行い判断するものとし,教職員は,過重な負担に当たると判断した場合は,障害者にその理由を説明し,理解を得るよう努めなければならない。

 教育,研究その他本学が行う活動への影響の程度(その目的,内容及び機能を損なうか否か)

 実現可能性の程度(物理的制約,技術的制約,人的制約及び体制上の制約)

 費用及び負担の程度

 本学の規模及び財政・財務状況

4 教職員は,前3項の規定を実施するため,別に定める留意事項に留意するものとする。

(相談体制の整備)

第7条 障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応じるための相談窓口は,次の各号に掲げる相談の区分に応じ,当該各号に定めるとおりとする。

 合理的配慮の不提供に係る相談

 教育支援・国際交流推進機構

 各学部

 保健管理センター

 医学部附属病院

 附属学校部

2 前項の相談窓口は,必要に応じ充実に努めるものとする。

3 第1項第1号の相談は,ハラスメント防止等に関する規程第8条に定めるハラスメント相談員が対応するものとし,相談があった場合の対応については,ハラスメントの防止等に関する規程第9条の規定を適用する。

4 第1項第2号の相談を対応した相談窓口は,任意様式により相談記録を作成し,次条に定める鳥取大学障害者差別対策委員会委員長に速やかに報告しなければならない。

(障害を理由とする差別の防止等のための体制の整備)

第8条 本学に,障害を理由とする差別を防止し,対策等を講じるため,鳥取大学障害者差別対策委員会(以下「差別対策委員会」という。)を置く。

2 差別対策委員会は,最高管理責任者の指示のもとに,次に掲げる事項を審議及び検討する。

 障害者差別事案の防止に関する基本方針

 障害者差別事案の事実関係の調査,措置及び環境改善等

 障害者差別事案の被害救済等に関し必要な措置

 その他紛争解決のために必要な事項

3 差別対策委員会は,前項の事項について,最高管理責任者の命を受け必要な措置等を実施することができる。

4 差別対策委員会は,次の者をもって構成する。

 理事(総務担当)

 理事(教育担当)

 各学部の副学部長 各1人

 ハラスメント相談員のうちから最高管理責任者が指名する者 若干人

 総務企画部長

 学生部長

 学生支援センター障がい学生支援部門長

 障害のある教職員のうち最高管理責任者が指名する者 若干名

5 前項第9号の委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,欠員が生じた場合の後任の者又は増員による者の任期は,前任者又は現任者の残任期間とする。

6 差別対策委員会に委員長を置き,総括監督責任者をもって充てる。

7 委員長は,差別対策委員会を招集し,その議長となる。

8 委員長は,ハラスメント防止等に関する規程第12条第6項の規定によりハラスメント防止・対策委員会委員長から報告があったとき又は第11条の規定により申立者から不服申立てがあったときは,速やかに差別対策委員会を招集しなければならない。この場合において,当該事案の申立者若しくは申立者に対して障害を理由とする差別を行ったとされる者(以下「被申立者」という。)となった委員又は当該事案の申立者及び被申立者(以下「当事者」という。)との間に特別な利害関係がある委員は,委員会の審議に加わることはできない。

9 委員長に事故があるときは,委員長があらかじめ指名した委員が,その職務を代理する。

10 差別対策委員会は,委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

11 差別対策委員会は,出席委員の3分の2以上をもって議決する。

12 差別対策委員会が必要と認めたときは,委員以外の者を出席させ,その意見を聴くことができる。

(不当な差別的取扱いに係る事案に対する緊急措置及び関係部局長への調整の要請)

第9条 不当な差別的取扱いに係る事案について,緊急の対応を要すると判断される場合は,ハラスメント防止等に関する規程第11条の規定を準用するものとし,関係部局等において当事者双方の主張を公平な立場で調整し,問題解決を図ることが妥当であると判断される場合は,ハラスメント防止等に関する規程第12条第1項から第5項までの規定を準用する。これらの場合において,ハラスメント防止等に関する規程第11条第1項第12条第1項及び第5項中,「防止・対策委員会」とあるのは,「差別対策委員会」と読み替えるものする。

(合理的配慮の不提供に係る事案に対する関係部局長への措置の要請)

第10条 委員長は,第7条に規定する相談窓口から合理的配慮の不提供に係る事案について報告があったときは,申立者に対して事実確認を行い,監督責任者に必要な措置を要請することができる。

2 委員長は,必要に応じ,最高管理責任者へ前項の事案について報告するものとする。

3 監督責任者は,委員長から措置の要請があった場合は,これに従い適切に対応するものとする。

(合理的配慮の不提供に係る事案に対する措置への不服申立て)

第11条 合理的配慮の不提供を理由として相談を行った申立者は,前条第3項の規定により実施された措置の結果について不服があるときは,差別対策委員会に対して不服申立てをすることができる。

(事実関係の調査)

第12条 差別対策委員会は,ハラスメント防止・対策委員会委員長から報告のあった不当な差別的取扱いに係る事案又は前条の規定により申立者から不服申立てがあった合理的配慮の不提供に係る事案について,事実関係を調査する必要があると判断したときは,その調査に当たるため,障害者差別調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。

2 差別対策委員会は,調査委員会を設置した場合は,申立者にその旨を通知する。

3 調査委員会の委員は,調査対象となる事案に応じて,差別対策委員会の選考により最高管理責任者が指名するものとする。ただし,調査の公平性・中立性の観点から,当該事案の相談員又は当該事案の当事者との間に特別な利害関係がある者を指名することはできない。

4 調査委員会の委員には,学外者を加えることができる。

5 調査委員会は,必要に応じ委員以外の者の意見を聴くことができるものとする。

6 調査委員会は,当事者その他関係者から公正な事情聴取を行い,所定の様式により調査結果を速やかに差別対策委員会に報告する。

7 第3項から前項までに定めるもののほか,調査委員会の運営に関し必要な事項は,調査委員会が別に定める。

(差別対策委員会による認定等)

第13条 差別対策委員会は,前条第6項による報告があったときは,当該報告に基づき,障害を理由とする差別の有無の認定及び講ずべき措置等について審議を行うものとする。

2 委員長は,前項による審議の結果を,関係資料を添えて速やかに最高管理責任者に報告するものとする。

3 委員長は,障害を理由とする差別の有無の認定結果及び実施しようとする措置等を速やかに当事者に通知するものとする。

(人権の尊重及び守秘義務)

第14条 相談の当事者は,正当な理由なく相談の内容を第三者に伝える等,一方的に関係者のプライバシーを侵し,名誉を傷つけ,人権を損なうような言動を行ってはならない。

2 差別対策委員会委員,調査委員会委員,相談員その他障害を理由とする差別に起因する問題の解決に向けた諸手続に関与した者(調査委員会で証言を行った者を含む。)は,当事者その他関係者のプライバシー,名誉その他の人権を尊重するとともに,正当な理由なく知り得た情報を漏らしてはならない。

(教職員への研修及び啓発)

第15条 総括監督責任者は,障害者差別解消の推進を図るため,教職員に対し,次の研修及び啓発を行うものとする。

 障害を理由とする差別に関する基本的な事項について理解させるための研修

 その他障害特性を理解させるとともに,障害者へ適切に対応するために必要なマニュアル等による意識の啓発

(懲戒処分等)

第16条 教職員が,障害者に対して不当な差別的取扱いをし,又は本学が決定した合理的配慮を提供しなかった場合,その態様等によっては,鳥取大学職員就業規則(平成16年鳥取大学規則第36号)鳥取大学教員の就業に関する規程(平成16年鳥取大学規則第37号)鳥取大学有期契約職員就業規則(平成16年鳥取大学規則第53号)等に規定する職務上の義務に反し,又は職務を怠った場合等に該当し,懲戒処分等に付されることがある。

(事務)

第17条 この規程に関する事務は,関係部局等の協力を得て総務企画部人事課において処理する。

(雑則)

第18条 この規程に定めるもののほか,必要な事項は,学長が別に定める。

1 この規程は,令和3年4月1日から施行する。

2 鳥取大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する教職員対応要領(平成28年3月22日学長裁定)は,廃止する。

(令和5年3月28日鳥取大学規則第46号)

この規程は,令和5年4月1日から施行する。

鳥取大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する規程

令和3年3月23日 規則第42号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第5章 就業規則
沿革情報
令和3年3月23日 規則第42号
令和5年3月28日 規則第46号