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鳥取大学と戸田工業が共同で革新的なナトリウムイオン電池負極材料を開発
鳥取大学と戸田工業が共同で革新的なナトリウムイオン電池負極材料を開発
概要
本学工学部の薄井洋行准教授、道見康弘准教授、坂口裕樹教授らの研究グループは、戸田工業株式会社(以下、戸田工業)と共同研究を行い、戸田工業が独自に開発した酸化鉄(Fe2O3)微粒子に対してアンチモン(Sb)を添加すると、ナトリウムイオン電池の負極として優れた特性が得られることを発見しました。酸化鉄は赤色の無機顔料(ベンガラ)として古くから知られており、安価で資源豊富な素材として広く利用されています(図1)。本研究では、資源が偏在するLiとは対照的に、ほぼ無尽蔵で安く入手できるNaを用いたナトリウムイオン電池の負極に、戸田工業が製造した超微細酸化鉄粒子を使用しました。ただし、酸化鉄のみでは電子伝導性が低いうえに、充放電反応を繰り返すと粒子の凝集を招き、負極特性が低下する課題がありました。そこで、種々の金属の添加によりこの問題の解決を試みた結果、酸化鉄とアンチモンとの複合化により、電子伝導性の向上と凝集の抑制に成功し、負極性能が大幅に向上することを見出だしました。
本成果は2022年12月5日の化学工業日報の1面に掲載されました。
※詳細はプレスリリース(PDF745KB)をご覧ください。
図1.戸田工業が製造する酸化鉄(α-Fe2O3:ヘマタイト)。
本研究では、戸田工業の独自技術により超微細化したFe2O3粒子をナトリウムイオン電池の負極材料に適用した。
今後の展開
酸化鉄は、ナトリウムイオン電池だけでなくリチウムイオン電池においても古くから研究されてきた負極材料ですが、電子伝導性の低さや、充放電にともなう凝集が課題となっていたため、これまでほとんど注目されておりませんでした。本研究では、ある種の金属との複合化がその課題を解決する鍵となり、超微細酸化鉄の高容量を効果的に引き出せることを発見しました。この知見は液体の電解質を用いたリチウムイオン電池やナトリウムイオン電池のみならず、固体電解質を用いた電池においても有用であるため、種々の次世代蓄電池の材料開発に貢献するものと期待されます。
論文情報
著者名:Hiroyuki Usui, Yasuhiro Domi, Eiji Iwama, Haruki Kurokawa, and Hiroki Sakaguchi
掲載誌:Materials Chemistry and Physics, DOI:10.1016/j.matchemphys.2021.125023