DIVERSITY CAMPUS
ダイバーシティキャンパス推進室
DIVERSITY CAMPUS
セミナー・講演
令和6年度
SD/FD ダイバーシティーセミナー
「アンコンシャスバイアスに気づこうとすることから、可能性を広げよう」を実施しました


誰もが持っている、さまざまなアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)について、全学生・教職員対象セミナーを学内eラーニングで実施しました。受講後のアンケートには、初めて「アンコンシャスバイアス」という言葉を聞いた、意識していたが新たなバイアスについて気づきを得た、自分や家族、周囲の人に対する向き合い方について再考した、などの記述が一定数あり、日ごろの無意識について考え、ふり返る機会となりました。
【実施期間】 令和7年1月28日~2月27日
【内 容】 「アンコンシャスバイアスを、知る、気づく、対処する」
~一人ひとりがイキイキと活躍するために~
(1)研修ビデオ視聴
(2)ふりかえりアンケート
【ふり返り、気づきの記述より】
- 「自分には無理だ」という点は自分でもよく陥ってしまいがちであり、とても考えさせられました。アンコンシャスバイアスは対外的なものと捉えていましたが、自分が自分に対して持っているものについて意識していけたらなと思います。
- 自分と同じ考え方の人に意見を優先的に求めるという行動も心理バイアスによるものと知ってもっといろんな意見を求めるためにいろんな友達を持ったほうがいいなと思いました。
- 今までアンコンシャスバイアスという言葉を知らずに無意識的に相手を判断してしまうことがある、と思い知らされた。「傾向」と「個人」は違う、ということを念頭に置き、相手や自分自身に対して意識することをしていきたいと考えた。
- 自分や他人を傷つけないようにする、という観点から心と体の調子への向き合い方について考え直すきっかけになりました
- 自分のあたりまえが他人にとっては当たり前ではないことを改めて感じた。
- 日常の家族での会話の中にアンコンシャスバイアスが満載だと気づきました。
- 自分の潜在的なアンコンシャスバイアスが不明な為、言動が消極的になりがちになっていたが、解決策は躊躇することなくコミュニケーションを取り、相手を知る努力をすることだと感じた。
【感想より】
- 様々なアンコンシャスバイアスの種類を見て、ハッとさせられることが多くあった。他人への配慮だけでなく、自分を顧みる必要があるのかなと思った。
- 他人と迅速、円滑に会話を進めるため、ある程度のアンコンシャスバイアスは必要だと思います。 とはいえ、異なる文化圏、地域、人種、性別など、自分と異なる属性を持っていれば、異なる価値観を持っている可能性は必ずあるので、そういう人とは、より長く、なるべく基本的なところから、じっくりと対話していく必要があるのだと、改めて思いました。
- 家族でアンコンシャスバイアスについて話し合ってみたいと思います。
- アンコンシャスバイアスを自分の意識からなくすことはできないと思っています。そのため、定期的に振り返ることができる本研修は大変ありがたいです。
- 年に一度程度、このような話を聞いて、再確認、情報のアップデートをすることは良いと思う。
- バイアスがあるのは悪いことのように思われがちだが、本能的なもので無くすことはできないと聞き、ある意味ほっとした。バイアスを持つ自分を非難しすぎないことも大切で、その上でバイアスとうまく付き合っていくことが大切だと思った。


「はたらく女性のためのキャリアデザインセミナー」を実施しました

自分らしい働き方のバランスを、女性同士で対話しながら探す機会として、セミナーを実施しました。参加者は、女性の管理職が少ない中、キャリアに関しての不安や、家事や育児、介護などとの両立など、自身のスキルや価値観などと照らし合わせながら現在と将来について考えました。
鳥取大学の教職員を対象に2024年9月に実施したダイバーシティ環境(女性活躍)推進アンケート結果には、管理職になること、キャリアアップすることに対して、女性は男性に比べてどの年代でも消極的な傾向が顕著でした。このことは、全国的な調査や異業種においても指摘され、業種を問わず課題感があります。異業種でさまざまな背景、風土や制度、個々の価値観の違いなどを交換しながら、参考にしたり、現状を客観的に見つめたり、自身が大切にしている価値観、現在の働き方などを多角的な視点でとらえる機会となりました。
セミナーの満足度は100%と高く、次のような感想がありました。
- キャリア=仕事ではなく、人生全体を含めて捉えるという考え方が参考になりました。
- 課内で弱みを強みでカバーし合いたいと思いました。
- 異業種の人との研修は、改めて自分ももっと頑張ろうと、5年後のなりたい自分に近づけるよう前向きに取り組もうと思える時間でした。
- 交流できた方々とゆるやかにでもつながったり、思い出すことで、柔軟な視点を持っていきたい。
- 具体的な目標もなく、日々の業務に邁進するのみでしたが、言語化することで、ぼんやりながらも理想のイメージが絞れそうです。
- 色々な年代の方と交流できてとても楽しかったです。働き方や考え方も様々で、今一緒に働いている人たちもそうだと思うと、私自身の考え方も改まりました。


ダイバーシティ(LGBTQ+)FD/SDセミナーを実施しました

セクシャルマイノリティについての教職員対象セミナーを、学内eラーニングで実施しました。受講後のアンケート回答者の9割以上が満足度、わかりやすさ、役立ち感について肯定的に受けとめ、得た知識や気づきを今後の行動につなげていきたいと回答しました。
【実施期間】 令和6年9月10日~11月20日
【内 容】 ~セクシャルマイノリティについて知ろう・行動しよう~
(1)研修ビデオ視聴
① LGBTQ+の基礎知識
② 実践編 カミングアウトへの対応、気をつけたい表現
(2)インタビュービデオ視聴(任意)
アメリカの医療における取り組み
感想からは、「もしカミングアウトされた時などに傷付けるような言葉を言ってしまうのではないかと思っていたが、不安に思うのではなく理解しようとする思いを伝えることが大事」、「(マイノリティの人の)リスクやメンタルヘルスなど、今まで考えてこなかった部分を考えるきっかけになった」、「今回のテーマだけでなく、学生や他の人と接する色々な場面で当てはまる」、といった気づきが多く寄せられました。
また、「カミングアウト・相談された際、大事な事を話してくれてありがとうと、感謝するという事が大切」、「間違いや適切ではない発言をしてしまったら、素直に謝ることが大切」といった具体的な行動や、「アップデートの機会の大切さ」についても複数の記述がありました。

附属学校部公開セミナーが開催されます。ぜひご参加ください。
「鳥取から"世界"を掴む」
講師:タカサカモト 氏
ダイバーシティセミナー(FD/SD研修)入門ゼミを配信しました
6月下旬の男女共同参画週間に合わせて開催しているダイバーシティセミナー。
令和6年度は6月23日~7月22日の1カ月間、全学部1年生が受講した推進室スタッフ作成のダイバーシティに関する大学入門ゼミを、2年生以上の学生、院生、教職員に学内eラーニングシステムで配信しました。
内容は、推進室スタッフ制作による次の構成です。
(1)無意識の偏見への気づき
(2)"DEI"とそれに関連する各種制度・法令概要
(3)講義の狙い
(4)多様性に関連する話題の紹介
(5)私たちはどうあればよいか
視聴後アンケートからは、「DEIやSOGIという言葉は知らなかったのでとても勉強になった」「研修をきっかけに、多様性に関連する社会の動きをもっと勉強していきたい」、「自分や社会の中にはまだまだ多くの無意識の偏見があると感じた」、「普段の職場・家族での会話やテレビのニュースなど、聞き流してしまう内容にも、無意識の偏見や思い込みが隠れている事に気づいた」などの感想が寄せられました。
ダイバーシティセミナー「変わる社会と男性育休の現在地」を開催しました

多様な個性・価値観やライフスタイルを尊重しあい、無意識の思い込みやハラスメントに気づき、誰もが健やかに成長や挑戦ができるキャンパスづくりの一環として、「男性育児休業」に焦点をあてたセミナーを開催しました。
育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法などの改正が次々と行われる中、育児当事者だけでなく、家庭や職場、地域や社会の未来に向けた多様な視点で「男性育休」を考えるメッセージが満載でした。 男女問わずさまざまな年代・属性・状況の方に参加いただき、子育てしやすい、両立して働きやすい職場や家庭について、広くかつ自分事としてともに考える機会になりました。
☆ ママと子ども2人分の命を守る・・・ 産後母親の死因の1位 自殺:産後うつを乗り越える
☆ 妻との関係性が強まる・・・ ともに親として成長、産後の1年で老後の関係性に影響
☆ 仕事(職場)にも好影響・・・ 仕事に有効な能力が身につく、アイデアが仕事に活きる
☆ 自身の世界が広がり人生が豊かになる
◎ 豊かな人生のための寄せ鍋型ワークライフ・ハッピーバランス
☆ 家事・育児(育休)、介護、仕事、趣味、地域活動etc... どれも7掛けで、完璧をめざさない
◎ 男性育休は社会を変えるボウリングの1番ピン!
1番ピンの男性育休=家事・育児がクリアすると、次々とピンがクリアしていく
⇒ ②若年&熟年離婚の減少 ③DV・児童虐待予防
⇒ ④DE&I(多様性・公平性・包括性の尊重) ⑤働き方改革・人材採用有利に ⑥介護離職予防
⇒ ⑦ジェンダー平等社会 ⑧少子化対策 ⑨QOL(生活の質、満足度)向上 ⑩人生100年時代
◎ 男性育休推進の条件
①本人の意識啓発 ②上司の意識改革、マネジメント改善 ③組織(社会)全体の取組
最後に、欠員があってもチームワークを発揮し持続可能な組織、一人ひとりの豊かな人生につながる職場の関係性について、次のような示唆をされました。
☆ 多様な働き方を前提にした、気兼ねなく発言できる風通しの良さ
☆ 「管理職」は「支援職」のイメージ、 職員間は上下でなくパートナーシップ
☆ 個人や家庭を大切にする組織が、個人と信頼で結ばれていく時代
後半の質問タイムでは、育児休業の経験や、育休取得後の仕事との両立、病児対応の苦労、また育児期を振り返ってこれからの環境のあり方についてなど、男女年代を問わずご発言いただきました。
開催後のアンケートからは、休業中・復職後のフォロー体制、職場の理解、キャリアの中断や昇進に関する不安を払拭するための施策の充実などのニーズがあり、それぞれの立ち位置でフォローしあえることがあるかもしれません。
また、育休取得後の母親の負担への理解や、同僚の負担への配慮、その改善のために業務効率化や在宅勤務の活用など、働きやすい環境をともに提案しようとする前向きなメッセージが複数ありました。
最後に、元気の出る素敵な感想をセレクトしてお届けします。
☆ 育休を取って周りから良かったと思ってもらえるよう、これからの生活も頑張りたい
☆ 肩の力を抜いて自分なりの生き方をすることが、幸せに繋がっていると思いました
☆ みんなが大切な業務を担って頑張っているので、1人が抜けても一時的に上手く回している
1人ひとりの頑張りの賜物
その人の頑張りも、他の誰かが抜けても、組織を上手く動かす力になっている


出産・育児との「両立を支援」する各種制度(2023年時点)とダイバーシティキャンパス推進室からのお知らせ リーフレットはこちら
令和5年度
第14回中国四国男女共同参画シンポジウムを開催します
このたび、第14回中国四国男女共同参画シンポジウムを鳥取大学が当番校として、"~アン・イニス・ダッグの物語~から考える大学&DEI"のテーマで下記のとおり開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。
記
内 容 映画『キリンを愛した女』~アン・イニス・ダッグの物語~の上映後、
ダイバーシティセミナー(FD研修・SD研修)を開催しました
毎年6月下旬の男女共同参画週間に合わせて開催しているダイバーシティセミナー。本年は、性的マイノリティに関する知識を学ぶとともに、『親として、教育現場で、身近な人ができること、望ましい対応などを考え、誰もが力を発揮できるキャンパス、生きやすい社会を目指すこと』を目的に、6月23日~7月22日までの一ヵ月間、JobRainbow 代表取締役CEOの星賢人氏による「身近な人が性的マイノリティかな?と気づいたら」をmanabaによるオンデマンド配信にて開催しました。

セミナ―の前段では、性的マイノリティは日本で多い6つの名字(佐藤さん、鈴木さん、高橋さん、田中さん、伊藤さん、渡辺さん)を合わせた人口よりも多く、皆が思っている以上に存在することや、ご自身(ゲイ)も周りの友達から浮きがちだった中学生時代に不登校となったが、ネット上の親友の「お前はお前だから」の言葉に救われ、学校のクラスに自分の居場所は無くても世界には自分を求めてくれる人がいると考えるようになったとのエピソードが紹介されました。
第一部「LGBTって」では、ゲイやバイセクシャル、レズビアンについて、出生時に割り当てられた性、性自認、性表現、性的指向を、男女間のどの位置にいるのか(距離間隔)を示すことで、それぞれの違いを見える形にして、セクシュアリティは一人一人違うこと、社会課題であるはずなのに、学校で教わることもなくLGBTの若者が孤立する現状の問題点を明示いただきました。
第二部「身近な人や子供がLGBTかもと思ったら」では、気をつけるべき発言例やカミングアウトされた時の対応のしかた、他の家族や人に話す必要を感じた時は必ず本人への確認が必要であり、良かれと思って話したでは済まされないことなどをお話いただきました。 受講者からは、「もし息子からカミングアウトされても、受け入れてあげられる心の余裕を持っていたいと思う。」「性的マイノリティに限らず、日頃から、身近にいる人が様々な境遇にあることを踏まえて接するようにしたい。また、受け止めてあげること、困った状況にあれば助け船を出してあげること、声を掛けてあげることなど、自分にできることをしたいと思った。」などの感想が寄せられました。


令和4年度
コミュニケーションセミナーを開催しました
令和4年12月12日~令和5年1月11日までの1ヵ月間、臨床心理士でアンガーマネジメントジャパンの佐藤恵子氏を講師にコミュニケーションセミナー「アンガーマネジメント~自分の怒りに気づき、対処できるようになるために~を、manabaでのオンデマンド配信にて開催しました。

物事の捉え方や考え方をより柔軟な考え方に変えていくことで、自らの力で感情をコントロールし、適切な行動をとれるようになることを目指し、研究室や職場でのパワーハラスメントの防止、メンタルヘルス不調者を防ぐことを目的として実施。
1部2部の2本立てで、1部では、「アンガーマネジメントが必要とされる背景」や「アンガーマネジメントとは」、「怒りの感情の理解」、2部では、「イラっとした時の心身の落ち着かせ方であるストレスマネジメント」と、「自分の考え方のくせを知り、変える認知変容」についてワークを交えながら講義いただきました。
教職員を対象としたセミナーでしたが、受講者264名には多くの学生も含まれており、manabaでの動画配信は、興味を持つ方なら誰でも、日時を選ばず自由に受講可能であることが大きな利点。

「自分が何にイライラしているのか、理解できたように感じる」「無意識のうちに考えたりしていたことを本セミナーで理解することができた」など肯定的な意見がある一方、「理屈は理解できるが、感情をコントロールすることは簡単ではない」「趣旨は理解できたが、行うのは難しい」など理解はできても行動することは難しいとの意見もありました。 また、「叱る必要がある場面においても、受け取る側が"怒られた"と感じることもあり、指導が難しい」という意見や、「ストレスの要因となっている方の対処の仕方を知りたい」との声もあり、コミュニケーションに悩みを持つ方が多いことをあらためて痛感しました。
ダイバーシティセミナー(FD研修・SD研修)を開催しました!
6月23日~7月22日までの約1ヵ月間、ダイバーシティセミナー「職場における アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)」を、manabaでのオンデマンドにて開催しました。

本年は、基本である男女に関する問題に立ち返り、アンコンシャス・バイアスが引き起こす影響、男性だから女性だから、できるできないなど無意識に判断していることに気づき、ダイバーシティを活かす職場への実践をはかることを目的として実施しました。
講師は、株式会社wiwiw会長であり、立教大学大学院や昭和女子大学で教鞭をとられ、文部科学省や厚生労働省の各種専門委員、経済産業省の「企業活力とダイバーシティ推進に関する研究会」の委員を務められるなど、広くご活躍をされている山極清子氏にお願いし、「アンコンシャス・バイアス」とは何か、職場に及ぼす影響、バイアスと向き合う方法について、具体例を挙げてご説明いただきました。
受講者からは、内容について「具体例があってわかりやすかった」「共感しやすい内容が多かったため、自分の生活に関連付けて考えやすかった」「事例を見て、自分にも思い当たることがあり、自分の言動を振り返るきっかけになった」との声が寄せられました。
令和3年度
介護セミナーを開催しました!
令和3年12月6日~令和4年1月31日までの約2ヵ月間、医学部の三好准教授を講師に介護セミナー「認知症高齢者と介護家族の安心・安全な生活支援」~高齢者の自動車運転を考える~を、manabaでのオンデマンド配信にて開催しました。

過去開催した介護セミナーは、高齢の親の介護を想定して、介護に関する知識や情報をお伝えするものでしたが、今回は「高齢者の自動車事故」に焦点を当て、運転中止の課題について考える内容としました。
基礎編と応用編の2本立てで、基礎編では、日本の高齢化率と免許保有率、高齢者の自動車事故の統計、運転中止の課題について。応用編では、認知症有病率と認知症の種類、認知症高齢者の自動車運転中止に関する事例や安全運転相談窓口について学びました。
受講者は60代が最も多く、セミナーを受講した理由として「高齢による身体機能の衰えが運転に及ぼす影響を知りたかった」「高齢運転者が起こしがちな交通事故の特徴を知りたかった」との回答が上位となり、自身の問題として受講した方が多かったのではないかと思われます。

加齢に伴う身体機能の低下等のため、自動車等の安全な運転に不安のある高齢ドライバーやその家族が無料で相談できる安全運転相談があることについて、知らなかった方がほとんどであり、是非活用いただければと思います。
受講者からは、「ちょうど親の運転免許の返納について、家族で悩んでいたところだったので、大変参考になりました」「一方的に取り上げるのではなく、本人の事情や尊厳を考慮しながら、納得して返納してもらうことが大切とわかった」などの感想が寄せられました。
ダイバーシティセミナー(FD研修・SD研修)を開催しました!
6月21日~7月25日(要望により期間を延長)までの約1ヵ月間、ダイバーシティセミナー「じぶんらしく生きる」を、manabaに録画した映像を配置することで、自由な時間に受講できるオンデマンドにて開催しました。
内容は、昨年まで実施してきた主にLGBT等性的マイノリティに関する知識や、当事者への対応を学ぶものではなく、性同一性障害(性的違和)と診断を受けた方が、幼少期、学童、学生時代の苦悩の生活と、それを乗り越えて幸せに暮らしている現在について語ってもらうことで、学生、教職員に理解を促し、当事者にも勇気を与えられる内容として実施しました。

講師は、非営利型一般社団法人 日本LGBT協会 代表理事で、FMびざんの番組にてMCなどで活躍される清水展人氏にお願いしました。
ご自身の半生を描かれた絵本「じぶんらしくいきる」や、小学校での出前授業では、心と身体が一致しないことで悩み、海外で性適合手術を受けた後も、トイレの利用時や就職活動等でつらい思いをされながらも自分らしく生きることをつらぬき、今は結婚され、2児の父親として幸せであると語られました。

当事者にお話しいただいたことで「親からの期待などによる当事者の苦しみをより強く実感することができた」「将来自分が親になった時に子供への対応をどうしたらよいのか、自分はその時どう思うのだろうかなど、今まで考えてこなかったようなことについても深く考えることができた」など本学での立場だけでなく、家庭での立場でのことも考えていただける機会となったこと、また「自分自身が性マイノリティではないか」「性マイノリティなのではないかと思う部分があり悩んでいた」との感想も寄せられ、話を聞きたいと思っていても、機会や勇気が無く踏み出せない方にとって、良い機会となったのではないでしょうか。
令和2年度
ライフプランセミナー『キャリアを考えよう!』を開催しました!
ライフプランセミナー『キャリアを考えよう!』を2月26日(金)に開催しました。

今年度は、対象を教職員にも広げ、鳥取県東部不妊専門相談センター(鳥取県立中央病院)とダイバーキャンパス推進室(鳥取大学)を結び、meetによるオンラインにて実施しました。
妊娠適齢期、不妊の原因、産み時とライフプランなど出産そのものに関わる内容をはじめ、介護と育児のダブルケアや、妊娠・出産・育児期における働くための法律について話しました。
オンラインでの実施により、受講することへのハードルが下がり、集合研修と比較して受講しやすかったのではないかと思われます。
受講者は、「妊娠できるようにするための健康管理や、妊娠適齢期を考えたライフプラン設計など、今からでもできる事は多いということに気が付いた」と感想を寄せていました。
オンデマンドセミナー「イスラム教を知ろう」を開催しました!
12月21日~1月22日までの1ヵ月間、オンデマンドセミナー「イスラム教を知ろう」を開催しました。
ダイバーシティキャンパス推進室では、多様な個性と価値観を尊重し、偏見や差別のないキャンパス作りを目指しており、その一環として、今回は「イスラム教」をテーマにしたものです。
全世界で信者の多い宗教でありながら、凶悪事件の報道が目立ち、過激とか、怖いイメージをもたれがちです。ムスリム(イスラム教徒)の留学生に、自身の日々の生活について話してもらい、イスラム教を知り、理解を深めてもらうことを目的に開催しました。

話してくれたのは、地域学部1年のファリスさん、同2年のマリナさん、持続性社会創生科学研究科農学専攻2年のガリ―さん。
ファリスさんは、ムスリムのやらなければならないこととして、信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼の5行と服装について、マリナさんは、ハラールとハラール食品について、ガリ―さんは、本学で困ったこととしてハラール認証を受けた肉を使ったメニュー(※)がなく、肉が食べたいとユーモアを交えて話してくれました。
後半は、鳥取のムスリムについて、農学部4年のアリサさんが紹介。その後、当推進室の学生スタッフが留学生に質問を行いました。
受講者は、受講した理由として「報道では一部の過激派ばかりがクローズアップされており、一般のムスリムを知らないとイスラム教は危険な宗教集団と勘違いをして敬遠してしまいがち」。受講した感想としては「生の声を聴くことができ理解が深まった」「イスラムの約束事を異質に捉える事が無くなった」など、意識が変わったことがあげられ、留学生に対しては「生活面の支援が必要」「日本人が住みやすいだけのままではいろんな面で発展につながらない」などキャンパスでの取り組みについての意見も寄せられました。
ダイバーシティセミナー(FD研修・SD研修)を開催しました!
11月4日~30日までの約1ヵ月間、ダイバーシティセミナーを開催しました。 例年は、講師に来学いただいての集合研修を行っておりましたが、コロナ禍であり、また時間に制約されず、多くの方に参加いただけるよう、録画した映像を視聴いただきました。
内容は、「教育現場における性的マイノリティ支援の基礎~大学編~」と7月に実施したeラーニングへのご質問やご意見に対する回答編として「性的マイノリティへの支援と配慮について~鳥取大学教職員FAQ」の2部制にて実施。分けることで一部あたりの時間を短くしました。

講師は、NPO法人共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク代表理事で、LGBT法連合会共同代表である原ミナ汰氏にお願いしました。
原氏は、教職員の皆さまからのご質問やご意見に、率直に答えていただき、LGBTではなくジェンダー教育として扱うべきではないかとのご意見には、多くの方に知っていただくためには、象徴となる語句のほうが認知されやすいこと、自分の属性を知ることで救われる人もいる、など丁寧にご説明いただきました。

今回の開催形式について受講者からは、「短時間で仕事の合間に受講可能だった」「オンデマンドで自分の都合に合わせて受講可能だった」、など受講しやすかった点を評価。内容については、「SOGI(性自認)など知らなかったことを知ることができた」「考えるよい機会がもらえた」など良い評価がある一方、「内容が一般的」「さらっと流した程度の内容だった」など一般的な内容よりも、「具体的な事例があれば、より理解しやすい」「概要はわかったが、具体的にどのように対応したらよいか」など、具体事例を求める意見も散見されました。
今回、やむを得ずオンデマンドという形式にて開催しましたが、受講に時間と場所を選ばないこの方法は、多くの教職員に受講の機会をもってもらえるという大きな利点を表出するものとなりました。
平成31(令和元)年度
ライフプランセミナーを開催しました!

12月11日(水)に、学生を対象としたライフプランセミナー『キャリアを考えよう』を開催しました。
鳥取県東部不妊専門相談センターの橋本看護師と、キャリアコンサルタントである長谷コーディネーターが講師を務めました。
セミナーでは、妊活をテーマにしたドラマ「隣の芝生は青く見える」を紹介し、なぜ主人公の夫婦は子どもがなかなか授からなかったのかを考えてもらうことからスタート。妊娠には適齢期があること、不妊には女性だけではなく男性にもあること、また、企業勤務35歳の架空の女性を設定し、なぜ妊娠・出産が高齢化するのかを考えました。
受講した学生は「誤った知識を修正できた」「キャリアプランに興味がありました。今後就職活動で基準の一つにしていきたい」「知らなかった、考えなかったからという理由で幸せを逃したくないと思った」と受講して良かったと回答。セミナー終了後も、質問がつづき、学生は満足そうでした。
コミュニケーションセミナーを開催しました!
12月17日(火)に、大学院医学系研究科の竹田伸也准教授をお迎えし、コミュニケーションセミナー『自分も相手も大切にするコミュニケーション術~童心に帰って自他尊重を考えよう~』を開催しました。
セミナーは、小学生と中学生を対象に実際に行われているアサーション授業プログラムを受講者が体験、まさに童心に帰り、価値観の異なる人同士が、互いに尊重しあってコミュニケーションする「自他尊重の心」について考えました。私たちは、相手の行動や態度が気に障ると、ついそれを自分のフィルターで見てしまい、相手を否定的に評価してしまいがちです。そうしたとき「その行動や態度の裏には、何か事情があるのかも」と思いを馳せることで、他人だけでなく自分にもやさしくなれるとの竹田先生のメッセージに共感しました。
受講者からは、「対応事例が多く、わかり易かった。」「小学生向けの教材ということで、客観的に見ることができ、いろいろと考えることができた。」「コミュニケーションの重要性、言葉えらび、相手の気持ちを考える事の大切さを再認識出来た。」との感想が寄せられ、あらためてコミュニケーションの重要性を認識したセミナーとなりました。

